BuffaloのNAS「LinkStation(LS-V1.0TL)」を長く使っていたが、LEDが赤点滅となりどうやらHDDの故障のようである。そこで、SSDに交換して動かしたので備忘録を残す。
準備
交換用のSSDドライブと3.5インチ変換アダプタを入手。ディスク容量アップしても良かったが値段との相談で、これまでと同じ1.0TBを購入。
LinkStatiosnの分解
ケースは爪で止まっているだけなので、細いドライバや爪楊枝などをつかって穴から爪を押して開ける。上・下・後の爪を外して、フロント側を蝶番のような感じで開くようにする。(注意しないとフロント側の爪が折れる)
ケースの開け方については、YouTube動画や他のサイト(参考)でも紹介されているので、参考にさせて貰った。ありがとうございます。
分解後は下写真のような感じ。
HDDは横のネジで取り付けられてるので外して、3.5インチ変換アダプタ+SSDに交換。
外してたファンを接続して、ケースに収納。
フロント側からケースを合わせて閉じて完了。持った感じの重さも随分と軽くなった^^。
LinkStationのFW(ファームウェア)を転送して書き込む
手順は、参考2. 及び 参考6. のサイト情報を参照させて貰った。基本的な作業の流れは以下の要領。
No | 説明 | 備考 |
---|---|---|
1 | 交換するディスクはパーティションがないものを使用 | 新品ならよいが使用済みのものはパーティション削除しておく |
2 | ディスクを交換後LS-VLを起動。青点滅のあと赤6回点灯になる。Functionボタンを押すと再び青点滅になりTFTPブートモードになる | 192.168.11.1 のTFTPサーバから起動ファイル2つを読み込み復旧(EM)モードで起動する |
3 | 起動中は青点滅で起動後青点灯になる。この時LS-VLはDHCPサーバを参照しIPアドレスを取得し設定される | DHCP取得できなければAPIPAによりリンクローカルアドレス169.254.xxx.xxx になる |
4 | NASNavigator2を起動して確認するとEMモードで見える | ネットワークアドレスがあっている必要がある(ブロードキャストが届く範囲) |
5 | LSUpdater.exe を実行してファームウェアの更新を実行 |
更新途中で自動的に再起動し192.168.11.1 のTFTPサーバからもブートするのでTFTPサーバは止めないで動かしておく |
6 | LS-VLのファームアップが終了して作業完了 | NASNavigator2で確認するとディスク容量が表示される |
各種ファイルをダウンロード&準備
Windows10パソコンでも使えた。
a)ファームウェア ls_series-v174.exe のダウンロード
こちらからLinkStationのFW(ファームウェア)をダウンロードする。(その時の最新版を使う)
対象商品:LS-XHL、LS-CHL、LS-WXL、LS-WSXL、LS-SL、LS-AVL、LS-VL、LS-WVL、LS-QVL、LS-XLシリーズ
これを展開して、「LSUpdater.ini
」ファイルを以下のように修正して上書き保存。
VersionCheck = 0
NoFormatting = 0
更に、その中の initrd.img
と uImage.img
ファイルを後で利用。
b)TFTPサーバの準備
こちらから、TFTPサーバ関連ソフト一式("TFTP Boot Recovery 1.53.rar"
)を入手し解凍。(日本語を含まないフォルダに解凍。拡張子が.rar
なので7-Zipなどの解凍ツールを利用)
先にダウンロードしたファイル(initrd.img
と uImage.img
)を、適当なところ(デスクトップなど)にコピーして拡張子を下記のように .zip
に変更して解凍。
変更前 | 変更後 | 備考 |
---|---|---|
initrd.img |
initrd.zip |
|
uImage.img |
uImage.zip |
尚、解凍する時にパスワードが必要だが下記のいずれか。
aAhvlM1Yp7_2VSm6BhgkmTOrCN1JyE0C5Q6cB3oBB
1NIf_2yUOlRDpYZUVNqboRpMBoZwT4PzoUvOPUp6l
YvSInIQopeipx66t_DCdfEvfP47qeVPhNhAuSYmA4
IeY8omJwGlGkIbJm2FH_MV4fLsXE8ieu0gNYwE6Ty
解凍したファイルは下記。また、一部ファイル名を変更。
圧縮ファイル | 解凍後ファイル | 名前変更 | 備考 |
---|---|---|---|
initrd.zip |
initrd.buffalo |
そのまま( initrd.buffalo ) |
|
uImage.zip |
uImage-lsp.5.x.buffalo |
uImage.buffalo |
ここで作成した、initrd.buffalo
と uImage.buffalo
を、上記で解凍したフォルダ「TFTP Boot Recovery 1.53」内へ上書き保存。
c)NAS Navigator2 をダウンロードしインストール
下記、Buffaloのサイトから「NAS Navigator2」を入手しインストールしておく。
通信作業環境の準備
FW更新作業途中にLinkStationはDHCPサーバを参照するのでDHCPサーバが使える環境の方が手間が少ない。そこで、使っていないルータ「BHR-4GRV」があったのでそれを使う事にした。ルータLAN側のDHCPサーバ機能が使えればよいので、WAN側はインターネットに接続しなくて単独で大丈夫。(もちろんWAN側にDHCP取得で既存LANに接続したり、インターネットに接続していてもOK)
ルータ設定
ルータのIPアドレスなど、下記のように設定。
項目 | 設定 | 備考 |
---|---|---|
ルータアドレス | 192.168.11.254 |
192.168.11.1 にしない事 |
ネットマスク | 255.255.255.0 |
|
DHCPサーバ配布 | 192.168.11.2 ~ 64個 |
192.168.11.1 は含めない事 |
- ルータ機種はDHCPサーバが動けばいいので、どんなのでも大抵は大丈夫。
LinkStationとパソコンをルータに接続
ルータのLAN側に、LinkStation(LS-VL)とパソコンを接続。
尚、パソコンのIPアドレスは、以下のように 192.168.11.1
に設定する。
TFTPサーバのポートが使えるように、WindowsのファイアウォールはOFFにしておく。
ファームウェアの書き換え作業
1)TFTPサーバの起動
TFTP Boot Recovery の「TFTP Boot.exe
」を実行。以下の画面が開いたら、そのまま作業終了時まで立ち上げておく。
このように、「accepting requests..」となっていれば待機状態なので、続いてLinkStationの電源を入れて、LEDが青点滅の後、赤の短い点滅が6回になる。
ここでLinkStationのFunctionボタンを一度押すと、再度青点滅に変わり、以下の表示に変わる。(表示が変わるまでほんの少し時間がかかる)
「uImage.buffalo, 5204 Blocks Served
, initrd.buffalo, 18867 Blocks Served
」のように表示され、LinkStationがブートファイルを読み込んで「EMモード」で起動。
ここで、NASNavigator2を起動して、以下のようにEMモードと表示されていればOK。
2)LSUpdater.exe を実行
解凍したファームウェアフォルダ内の「LSUpdater.exe
」を起動。
EMモードのLinkStationが認識されるので [ファームウェア更新] ボタンを押す。
確認画面が表示されるので [はい] を押して進める。
暫くすると更新完了してLEDが青点灯になる。NASNavigator2で確認してみる。
ドライブ容量が表示され使用率0.0%となって作業完了。無事に復活した♪
補足
- 冷却ファンを接続していないとLinkStation起動時にエラーになるので、忘れずに接続した状態で作業を行う事。(ファンがないと更新完了してもLEDが青点灯にならずにファンエラーで赤点滅となる)
- ルータを使わずに直接パソコンと接続して作業する事もできるが、その場合は途中でパソコンのIPアドレス変更が必要となる。(DHCPサーバもパソコンで動かしておけばIPアドレス変更も必要ないかも?・・・未確認)
- LinkStationのTFTPブートモードでは、アドレス
192.168.11.1
のTFTPサーバから、initrd.buffalo
とuImage.buffalo
の2つのファイルを読み出すという仕様のようである。なので、Linuxで動かしたTFTPサーバを準備し、そこにその2つのファイルを入れておいても動くのではないかと思う。(未確認)
【Ubuntu 20.04/18.04 LTS Server】TFTPサーバを動かす以前の記事で「Ubuntu 18.04 LTS Server」をインストールした。そのマシンで「TFTPサーバ」を動かしたので備忘録を残す。2020/8/13追記「Ubuntu 20.04 LTS Server」でも同様に動作する事を確認。...
所感
このLinkStation、まだまだ現役で使えそうである。特に、SSDにしたのでメカ部分がないだけに安心できる。あとは冷却ファンの寿命が心配(^^;)。Buffaloも、SSD版のLinkStationを販売してくれればいいのになって思う。
参考
- LinkStationのハードディスクを交換する
- LinkStationのハードディスクを交換するPart.2
- LS-XHLの分解方法 – YouTube
- 分解
- LinkStation LS-CH1.0TL の分解 (4)
- NAS LS-CH1.0LのHDDを2TBに換装!?
- BUFFALO LS-VL HDD交換 意外な落とし穴(備忘録)
- LS-VL(BuffaloのNAS、LinkStation)ハードディスク交換の要点
- LinkStation LS-CH1.0TL 1TBのHDDを換装して3TB(WD30EZRX)に容量アップ (3)
- LinkStationシリーズ ファームウェア アップデーター
- Trivial File Transfer Protocol | ウィキペディア
- How to download Buffalo TFTP Boot image Recovery software
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