Borland C++ Compiler 5.5 環境構築手順

 Borland C++ Compiler 5.5は、ボーランドのサイトから無償でダウンロードできます。このような、とても高性能なC++言語の開発環境が無料で入手できるのは、とてもありがたいかぎりです。
 以下に、このBorland C++ Compiler5.5(以下BCC55と略す)を、ApBuild Workshop(以下、ApBuildWと略す)から利用する環境構築の手順について説明します。

1.ApBuildWをインストール(既にインストール済みの場合は不要)

 本サイトから、ApBuildWのファイルを入手します。入手したファイルは、zip型式で圧縮されていますので、解凍して、その中の「ApBuild」のフォルダを c:\ にコピーします。
 (WindowsXPパソコンの場合は、入手したzipファイルをダブルクリックすると、内容が表示されますので、その中の<ApBuild>のフォルダを、マイコンピュータのCドライブにドラックする事で、コピーできます)

 ※インストール手順や起動手順などについては、付属のreadme.txtをご覧下さい。

2.BCC55のインストーラを入手しインストール

 ボーランドの下記URLから入手できます。
  http://www.borland.com/jp/products/cbuilder/freecompiler.html

 入手したインストールプログラム freecommandlinetools2.exe を実行し、そのまま指示に従って、インストールを進めます。インストールが完了すると、c:\borland\bcc55 のフォルダにコンパイラ一式が格納されます。

3.BCC55のコンパイラオプションファイルの作成

 BCC55を実行するには、ライブラリーファイルなどの所在を記したファイル(bcc32.cfgとilink32.cfg)が必要です。
 詳しくは、BCC55のインストールフォルダにある、readme.txtをご覧ください。
 上記の、readme.txtの指示に従い、bcc32.cfgとilink32.cfgのファイルを c:\borland\bcc55\Bin に作成してください。

 ※無精な方の為に、私が作成したファイルを以下に圧縮しておきます。
  この圧縮ファイル(bcc55cfg.zip←ここをクリック)に含まれる bcc32.cfgとilink32.cfgのファイルを
  c:\borland\bcc55\Bin のフォルダにコピーしてください。

4.ApBuildWの環境設定をする

 ApBuildWを起動し、環境→環境設定の「環境変数」タブを確認します。
 ここで、[BCC++5.5]以下の環境ブロックの定義が、プロジェクト情報で「BCC++5.5」環境が選択されたプロジェクトのコマンドが実行される時に設定される環境変数になります。

 ここで、%APBDRIVE% などは、ApBuildWの組込変数で、ApBuildWをインストールしたドライブ名となります。(詳しくはマニュアルをご覧ください) 又、既に定義済みの環境変数は %変数名% で参照する事ができます。
 定義の内容を確認し、修正する場合は編集し[OK]ボタンを押します。尚、修正した内容は次回の起動から有効となりますので、ApBuildWを一度終了させます。修正の必要ない場合は、[キャンセル]ボタンで環境設定を終了します。

5.DOS窓でサンプルプログラムをコンパイルしてみる

 ApBuildWを起動し、AP選択の画面の「SAMPLE BCC」のプロジェクトをマウスで選択しておいて、メニューバーの[コンソール]ボタンを押すと、DOS窓が開きます。(カレントディレクトリとPATH環境変数の設定は、ApBuildWが行ってくれます)
 カレントディレクトリには、hello.cppの簡単なサンプルプログラムが準備されていますので、そこから"bcc32 hellp.cpp"とコマンドを実行すると、コンパイラが起動して、コンパイル結果のhello.exeが作成されます。
 できあがった、hello.exeを実行してみてください。「Hello!!」の文字が表示されればOKです。

AP選択画面 DOS窓の結果画面

 このサンプルには、メイクファイル(makefile)も準備しています。このDOS窓から"make"とコマンドを実行しても、コンパイラが起動され hello.exe が作成されます。makeについては、ここでは詳しく説明しませんが、とても便利なコマンドで分割コンパイルを行う場合には欠かせないツールです。もっと詳しく知りたい方は、本やインターネットなどを検索してみてください。

6.ApBuildWからサンプルプログラムをコンパイルしてみる

 ApBuildWのAP選択の画面の「SAMPLE BCC」プロジェクトをマウスで選択しておいて、メニューバーの[メイク]ボタンを押しします。確認ダイアログでOKボタンを押すと、プロジェクト情報のメイクコマンドの欄に設定してあるコマンド(この例ではmake)が実行され、実行結果のウインドウに、コマンド実行時の結果が記録されます。
 もしコンパイルエラーなどが発生した場合には、この画面のエラー発生した行をダブルクリックすると、タグジャンプ機能が働き、規定のエディターが起動し、ソースプログラムが編集できます。エラー内容を修正し、再度コンパイルしてデバックを進めていきます。

AP選択画面 実行結果画面
(補足)
 通常、makeコマンドでは、既にターゲット(コンパイル結果のファイル)の日付がソースファイルより新しい場合は、既に作成済みとしてコンパイルコマンドなどを実行しません。
 [再構築]ボタンを押した場合は、プロジェクト情報の再構築コマンドの欄に設定してあるコマンドが実行されます。このサンプルでは、-Bオプション付きでmakeを実行するように指定してあります。
 Borland版のmekeでは、-Bオプションが指定された場合は、この日付関係を無視して常に全てのソースをコンパイルするように働きます。